五感と、食欲と、おいしさの関係

くすぶっているときに思う

薪を追加すると、白煙がもうもうと立ちこめてくる。

空気を送り込んで強引に火をつけたくなるけれど、

じーっと待っていると、

くすぶっているように見ている中で、

熱が少しづつ自力で高まり、

そして、ボッと炎が立ち上がる。

人間も、そんなものかもしれないと思った。

季節スイッチ

北海道はお盆を過ぎると秋に移る。

スイッチがあるわけでもないのに、

空も雲も風も空気も

ちゃんと秋になっていく。

「気づいてくれてありがとう」

って、そう言っているような空だった。

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寄り添える場所探し

孤独っていうものは、家族がいようが、友人がいようが、関係なく襲い掛かかってくる。

その症状は急速に進行し、ザワザワと胸の中をかき回し、

食べることも、眠ることも、ゆっくり休むこともできなくなる。

病気の進行はそんなに早いわけがない。

だから、病気による孤独から私を救わなきゃ。

寄り添える場所を探して、

病気と向き合うのは、それからだ。

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体の中で季節を感じる

今年もお盆がきて、過ぎていって、

急に空気のくすみが取れて、

吸い込んだ息で体の中が涼しい。

こんなことも、“季節を感じる” っていうのかも。

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鮮やかな色合いが美味しい。

昔から色の濃い野菜は体にいいと言われているけど、

この色の鮮やかさを見ていると、

口にする前から、すでに体に何か効いてるような気がしてくる。

口にしなくても、からだが何かを受け取っている、

そんな気がする。

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心地よい音

雷がひどかった。

停電になって、家の中の人工的な音がすべて消えた。

ザーッと大粒の雨が垂直に地面に落下してきて、

静かなのか、騒々しいのか

わからない自然の音に包まれた。

心地よい音だった。

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初期化する

複雑になりすぎて、

栄養素だのバランスだの面倒になってきた。

面倒になって、嫌になって、

いっそ、食べないかと思った。

どうでもよくなって、食卓をぼんやりと眺めていたら、

そこでわかることは、色、形、におい、質感くらいのことだった。

なんだ、

そういうことじゃないか。

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噛み砕く音が聞きたくて

コリコリ、ポリポリ

歯で噛み砕かれる音が

耳からと口の中からと両方から聞こえてきて

サラウンドシステムのように心地いい。

この音が聞きたくて、歯ごたえが出るように野菜をカットする。

それはとても簡単というかシンプルで、

野菜をざっくりと切って、皿にのせるだけ。

コリコリ、ポリポリ、バリバリ。

そしてゴックンと、私の体の中に取りこまれるのだ。

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孤独って食べれなくなるんだ

胸の真ん中がギューッとして

ザワザワして

悲しくなった。

何故なんだろう、

孤独だと思った。

いてもたってもいられなくなって、

患者サロンの門をくぐった。

自分だけじゃなかった。

ちょっと泣けて、そして久しぶりに笑った。

そしたら、ちょっとずつ胸の真ん中のギューが緩くなってきて

ちょっと食べられるようになった。

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きれい

キュウリの手触り、

手に持った感じって、こんなんだったんだ。

なんて表現すればいいのかな。

色だって、こんなだよ。

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